Vol.6 USCPAの転職先② 移転価格分野でプロになれ!

皆さん、いかがお過ごしですか?キャリアアドバイザーのゆーままです。

最近、子供の寝相の悪さは、私の血を引いているのだと痛感しました。夫曰く「とてもアクロバティック」だそうです。どうりで、朝目覚めたら想定外のポジションに母子ともにいるのですね。

さて、気になるUSCPA(米国公認会計士)の転職先シリーズの第二回目。前回予告した通り、今日は「税理士法人」というキャリアをご紹介いたします。

USCPAの転職先

①監査法人

②税理士法人

③コンサルティングファーム

④一般事業会社(外資系企業を含む)

⑤海外会計事務所

USCPAは米国公認会計士資格のはずなのに「税理士法人?」と思われる方も多いかもしれません。私自身も、転職相談を受ける際に、税理士法人の選択肢を挙げると驚かれました。

税理士法人と一口に言っても、規模感も大小様々です。その中でもUSCPAの方にご案内するのは主に「BIG4税理士法人※1」です。

BIG4を冠する税理士法人のほとんどが、上場企業・大手グローバル企業をクライアントとして抱えています。

世界をまたにかけて事業展開している企業を支える上で、主要各国に提携法人を持つBIG4は、各国の法人が連携し、税法・税制において迅速・広範なサポートをクライアントに提供することができます。

そのサービスの一環としてUSCPAとの親和性が高い「移転価格」と呼ばれる分野があります。 

まず先に説明しなければいけないことですが、移転価格は「国際税務」領域の業務内容です。

そもそも税理士法人が扱う仕事として「国内税務」「国際税務」があり、海外志向の強いUSCPAと結びつきが強いのは「国際税務」です。そして多々ある国際税務業務の中の一つが「移転価格」となります。

分類学で言うところの「税理士法人」族-「国際税務」科-「移転価格」属みたいなイメージですね!

(ゆーままさんの例は分かりやすいのかどうか判断がつかないな。)

…そうですね、そして今回ご紹介するポジションは「移転価格アドバイザリー」という名前です。

アドバイザリーは前回の記事で説明しましたね。企業に対して専門的な知見から、助言・指導・支援を行う業務を指します。

では、ここからようやく業務内容の説明と、なぜUSCPAと親和性が高いのか話していきましょう。

国際税務“移転価格”+“アドバイザリー”というプロ

移転価格アドバイザリー

仕事内容

グローバル展開している事業会社において、海外グループ(子)会社と社内取引をすることは多々あります。取引で扱われるものは、商品・部品・人・技術等、多岐に渡ります。

その時に重要になるのが、いったいどれくらいの金額でやりとりをしているかということ。グループ間の会社から会社へ「移転」するモノの「価格」が移転価格なのです。

そしてこの社内取引が適正な価格のもと行われるよう企業に助言していくのが「移転価格アドバイザリー」の仕事です。

極端な例ではありますが、市場に出れば高額な商品を、「グループ会社のよしみで、半額で販売するよ」としていたら企業自体の売り上げは下がります。

  • 企業の利益が減る
  • 国に納める法人税の金額が減る
  • 税務署からチェックが入る

この税務署からのチェックに引っかかってしまい、その結果不当な「価格」で販売したと烙印が押されてしまうと、足りない分の税金を追加で納める「追徴課税」が発生します。

そして場合によってはペナルティ(罰金)が加えられた追徴課税として、億単位の金額を支払うことにもなりかねません。(気が向いたら「移転価格 追徴課税」でweb検索してみてください。金額の大きさに驚くと思います!)

このペナルティを受けてしまうと、企業にとって大きな負担となることは言うまでもありません。

そうならないためにも適正価格を導きだし、企業の「移転価格」に問題がないことを証明(必要に応じて税務署と対決)するのが移転価格アドバイザリーの業務内容です。

求められる要件

このポジションで求められる力は大きく分けて2つ、それは「会計知識(USCPA)」と「語学力」です。

前回説明した監査法人の会計監査業務が「資格」重視であることに対し、移転価格アドバイザリーでは必ずしも資格が必要なわけではなく、むしろUSCPA全科目合格に匹敵する「会計知識」が求められるという認識が正しいでしょう。

特に税法について学ぶREG※2、クライアント企業の財務諸表をみる際にはFAR ※3の知識が大きく関わってきます。

加えて、「語学力」については海外の提携法人や各国の税務局、クライアントの海外子会社等、読み・書き・話すを多用する傾向にあります。

一概には言えませんが、これまで多くの内定者を見ていく中で、求める人材像は大きく分けて2パターンに絞られます。

①会計知識>語学力

会計知識に重きを置くパターン。USCPA全科目合格や3年以上の経理実務経験と同程度の会計知識が必要。

加えて、ビジネスレベルの英語力(TOEIC750~800程度)が必須。英語を使うことに抵抗がないのは大前提です。

②会計知識<語学力

語学力に重きを置くパターン。会計知識は基礎となるレベルを押さえていればOK。例えば日商簿記2級やUSCPA学習中~科目合格、また経理経験が浅い場合も含まれる。

その代わり帰国子女・長期の海外駐在等、ビジネスレベル以上の英語力が求められます。

いかがでしたか。移転価格アドバイザリーという仕事の意義や役割はイメージしていただけたでしょうか。

今回のテーマでは、そこまで押さえていただければ完璧です!

移転価格アドバイザリーの具体的な働き方や年収相場、そして経験を積んだ方のその後のキャリアの描き方については、別の機会に詳細に触れていきますので、楽しみにしていてくださいね。

次回は皆さん憧れのコンサルティングファームについて説明していきます!


  • ※1世界的に展開する4大会計事務所、EY(Ernst & Young)、トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)、KPMG、PwC(PricewaterhouseCoopers)と提携している税理士法人を指す。日本では順にEY税理士法人、デロイトトーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、PwC税理士法人。
  • ※2Regulation 連邦税法・ビジネス法と職業倫理
  • ※3Financial Accounting & Reporting 企業会計(IFRS含む)・政府会計と非営利組織会計